Monday, January 30, 2006

Do not preach!

反ライブドア言説にとても感情的に反応してみる。

労働は汗水たらしてするものだ、というのがある。実際のところ、汗水たらす疲労度の高い職種=肉体労働の賃金は低い。いわゆる頭脳労働の方がはるかに賃金は高い。従業員の平均給料の何百倍もの報酬を役員は受け取っている。そういう社会状況の中で、 汗水たらす労働が大切であると唱えることは説得力がない。ただの偽善である。お説教はもうたくさんなのである。

そんなお説教は昔からあるのである。江戸時代の後期には、石門心学の人たちが全国各地を講演して回って、教えを広めた。商人の間だけでなく、農村でも上農に頼まれて下農に教えを説いていたのである。幕末には報徳運動が起こっている。不安の時代にはそういうお説教を求める現象が起こる。先行きが見えないからか、見たいからか知らないが、現在の社会は何度目かの占いブームで只中である。そこではお説教が氾濫している。ただ繰り返し同じことが起こっているだけである。

人生訓の垂れ流しはそろそろ止めた方が良い。そんなものは一時的な慰めに過ぎないのである。必要なのは実践的な智慧である(笑)。

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